稲敷市にある無人販売の「レンコンロード」に行ってみた
セコムしてますか?
日本はいい国だと、諸外国の方々は言うけれど、実際日本人からしてみれば、どうなんだろうと思うことは多々ある。
東京の足立区にいたときは、お菓子がたくさん入った袋を盗まれたことがあった。そのときぼくは晩御飯を買いにほっともっとに来ていて、自転車のかごにお菓子の入った袋をそのまま放置して出て行ってしまった。ほんの十分程度だったと思う。
チョコレートやポテトチップス、ビスケットなどたくさんのお菓子を買い込んで、至福に満たされながら、「ぐひひ、これ全部、家に帰ったら一人で食うのだ」と、気味の悪い笑みを浮かべて楽しみにしていた、ただの善良な市民1に過ぎなかったのに、いきなりやってきたどこの馬の骨かもわからない小悪党にお菓子の入った袋を盗まれるというこの仕打ち。ゲスの極み。
千葉の市川にいた時は、家の前に止めていた自転車のライトが盗まれたりしたこともあった。買ってまだ日の経っていない、新品同様の、めちゃくちゃ明るいあのライトを。たしかメーカー名は「キャットアイ」だったか。それまで使っていたライトとは明らかに光量が違くて、その明るすぎるライトに若干ひいてはいたけれど、「相棒」としてこれから大事に使っていこうとしていた矢先。値段は大したことないから警察に届けも出せず、挙句の果て、「また買うのもなあ」と盗まれたまま放置していたら、無灯火で捕まるというこの理不尽な世界。ゲスの極み。(でも無灯火はだめだぞっ!はあと)
しかし、ここ茨城県稲敷市では、そんな悪人の存在もお構いなしに、無人販売が行われている。人はそれを、『レンコンロード』と呼ぶ。
クレヨンしんちゃんの映画で、『ヤキニクロード』という名作があったが、あれとは全く関係ない。稲敷にある『レンコンロード』には、その名の通りレンコンの姿が。太く丸く育ったレンコンが四つか五つ、存在感を放ってゴロゴロと入っている。しかもロープライスの100円。こんなことがあっていいんだろうか、人を信用しすぎではないんだろうか、大丈夫なんだろうか。
でもきっと、稲敷なら大丈夫なのだろう。信頼関係だけで成り立つ無人販売。セコムなんかする必要もない、地元を信じるレンコン農家の方々。瞬殺でお菓子やライトが消え去る足立区や市川市で成り立つ事業ではないだろう。「レンコンだひゃっはー」と下劣な人間がやってきて、100円も払わずにそのまま持ち去り、家に帰って筑前煮やはさみ揚げを作るのだろう。「うまそうだなひゃっはー!」と雄たけびをあげながら。
田舎には田舎の良さがあるし、都会には都会の良さがある。
それでもぼくは、田舎を選んでしまうんだなあ。みつを。
追記
今日は分量が少ないとか言わない。