こいのぼりの由来は「登竜門」から来てるらしい
こいのぼり。
こいのぼり。
こいのぼり。
こいのぼり。
そろそろこいが空を泳ぎ始める。ゆらゆらと見えない波に揺られて、大空を舞う姿は龍のように猛々しいのに、顔を見るとすっとぼけた表情でぼくらを見下ろしている。
今思い返せば、うちではこいのぼりなんて上げてなかったなあ。小学生の頃はアパート住みだったし、そもそもこいのぼりに興味がなかったから、「お願いだからうちもこいのぼり上げて!」なんておねだりもしなかった。でもそういう風習って案外大事で、なんでもない日常に一瞬でも非日常を分け与えてあげると、大人になって子供時代を懐かしむとか、日本に生まれたことに対してありがたみを感じるとか、日々に感謝するとか、些細なことでも喜ぶことのできる素直な子供に育つ……ような気がする。
子供も子供なりに大人の思いをちゃんとした形で受け取っているんだなと、そんなことを考えてしまった。
それに起伏がない平坦な日々の繰り返しだと、昔を思い返すのにも酷く億劫になってしまうから、大人の皆さん! めんどくさいとか、お金がかかるとか、上げる場所がないとか大人の都合で言い訳せずに、やれるときにやっといたほうがいいですよ。子供時代なんてあっちゅうまに終わっちゃうし、子供は意外とそういうところで大人を尊敬したりするもんです。
と、今日はいつになくまじめなトーンで始まった当ブログ。今回のテーマはもちろん『こいのぼり』。
茨城県稲敷市の中心街――江戸崎――にて4月から5月に開催されるこいのぼり祭りに、稲敷地域おこし協力隊の三期生が、こいのぼりの由来に関する紙芝居をやることが決定。今まさに企画書を書いていて、人口減少対策室に提出する、という段階まで来てはいるのだが……。
こいのぼりの由来に関する紙芝居……だと?
ピンポイントすぎやしないか。どうすれば面白い物語が書けるんだろうか。
一応、400字詰めの原稿用紙30枚程度の短編の童話を書いたことは何回かあって、色んな出版社に送っていたことはあるけれど、今回こいのぼり祭りに来てくれる子供たちはどのくらいの年代なのかも微妙なところなので(幅広く見積もっても、幼稚園・保育園くらいから小学校高学年くらいまで)、面白にも幅がないときついかもしれない。完全な童話だと小学生には飽きられちゃうだろうし、ファンタジー色が強すぎても小さい子供にはついてこれないかもしれない。
なかなかの無茶ぶりや。
でもやるしかない。とりあえず、こいのぼりを知るところから始めよう。
- こいのぼりの由来
なぜ池を泳ぐこいが、空を飛ぶようになったのか、不思議に思う方もいらっしゃるだろう。そもそもなぜこいなのか、ほかにもっと適した生物がいそうなものなのに。
そもそもこいのぼりの由来は中国から伝来されたもので、中国では、滝を登りきったこいが、天に昇って龍になる『登龍門』という言い伝えがあるらしい(黄河上流の、滝が連なる激流の龍門を、流れに逆らって登り切り天に昇って龍になった)。
登竜門。意味はいわずもがな。人の立身出世の関門を指す言葉として日本でもよくつかわれる言葉だ。
日本に伝来したのが、大体江戸時代、この時期に武家では子弟の出世のため、武士の庭先で5月5日あたり、梅雨期の雨の日に、こいを催したこいのぼりを飾る風習があった。
現代になると、出世の概念が多少変化し、一般的に普及するよう、子供たちがどんな困難にも負けず、上へ上へと昇り続けるようにとの思いで、こいのぼりを習慣としてやるようになったという。
- こいのぼりを上げる時期
決まり切った日程は存在せず、大体、春分の日(3月20日)から5月の上旬までというのが一般的で、地域によっても差がある。縁起を担いで、「大安」でかつ「天気のいい」日が選ばれる傾向にある。
- そもそも鯉とは
生命力が以上に強い魚で、寿命は平均二十年以上、種類によっては人間の平均寿命に近い70年を超す個体もある。うろこの年齢から推定された最長命記録は、岐阜県東白川村で飼われていた個体の226年。きれいな水だけではなく、汚い水に適応できるほか、他の魚に比べて、水のない場所に放置していても、多少は耐えられるらしい。
調べれば調べるほど奥が深くなるこいのぼり。でも、紙芝居作成から完成まで10日ほどしかないので、あまり悠長にもやってられないのが現実。
やっぱり子供向けならファンタジー色が強い脚本のほうがうけがいいんだろうな、なんて、考えてはいるけれど、まだまだ時間がかかりそうな予感しかしない。
追記
現実逃避したい。